沼隈町が『平家隠れ里』と呼ばれている所以は、昔から平家にまつわる伝説が語り継がれていることからです。平通盛(みちもり)と小宰相(こさいしょう)との純愛物語や源氏の白色を忌み嫌う風習など、たくさんの伝説が残されています。
源平の合戦に敗れた平家の一団が源氏の追手を逃れ、谷を奥へ奥へと踏み分けて入りました。この道はあまりの狭さと険しさで、馬の鞍が横に傾くほどであったといいます。そこからこの地を「横倉」と呼ぶようになりました。
平家の象徴の色である、赤幡が祀ってある神社。境内には椿の木があり、花の季節になると地面を赤く美しく染めます。紙垂(しで)に赤い紙を使ってあります。この谷の人々は昔から源氏が白幡を使っていたことから白を忌む風習があり、下帯・手拭い・下着に至るまで赤く染めて使ったといいます。
1192年に創建され、御神体には通盛の自彫りと伝えられる通盛と妻・小宰相局の木像が祀られています。旧暦の8月の祭礼には、海戦で命を落とした平氏の魂が宿る「平家蟹」が、能登原の海岸から参拝に来たと語り継がれています。現在の御殿は1900年に建て替えられたものです。通称「平家さん」と呼ばれ、夫婦円満の神社としても親しまれています。
1583年(天正10年)、平秀円が一族の供養のために寺を建立。平通盛の菩提寺として伝えられ、境内には妻・小宰相局の墓があります。春には樹齢250年を超えるとも言われるエドヒガンザクラが咲き誇り、ライトアップもされています。
山道を歩いて進んだ山の中にあり、集落への出入りを見守る役目があったといいます。京都の貴船神社の分霊を祀っており、兵船の模型が奉納されています。
入口に椿門と堀がそびえ、小川や滝の流れる庭園に、全国から集めた多数の種類の椿が、初春に可憐な花と香りで谷を包みます。(開園時期:3月10日~4月下旬)
通盛がしょうぶ湯につかり戦いの疲れを癒したという伝えにちなんで作られました。初夏には広大な敷地に約500種の花しょうぶが咲き誇ります。(開園時期:6月上旬~6月下旬)
貴船神社と同じように平家谷の出入りを守る神社と言われています。ここにも兵船の模型が奉納されています。
高さ約2.7m、幅1.8mぐらいの切り立った岩で、この谷の奥へのがれていく平通盛がこの岩をめがけ、武運を試そうと「わが武運はいかに」と刀で切りつけましたが、刃形を残して刀は折れてしまったと言われています。ダム建設により、今は堤防の底となりました。
平家ゆかりの名所・史跡はこのほかにもまだまだあります。
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平家谷
住所 〒720-0402 福山市沼隈町大字中山南
料金 無料(期間のみ開園している平家谷つばき園、しょうぶ園は有料)
交通 JR福山駅から車で約45分。公共交通機関はありませんので、お車でお越し下さい。